DisplayPortでデイジーチェーン接続(数珠つなぎ)する際の注意点をいろいろ紹介します。
macOS → デイジーチェーン未対応
macOSはデイジーチェーンをサポートしていません。
少なくとも、MacOS 10.13(ハイシエラ)までは対応していないみたいです↓。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/DisplayPort(英語ぺージです)
すべての機器 → DP1.2以上
↑の画像で言うと
- 出力するパソコン・・・
→出力端子がDispayPort 1.2以上である必要がある
- DisplayPortケーブル・・・
→DispayPort 1.2以上に対応している必要がある
- ディスプレイ・・・
→入力端子だけではなく、デイジーチェーン用の出力端子が必要である
→入出力端子がDispayPort 1.2以上である必要がある
(そもそもデイジーチェーン用の出力端子が付いている場合は、必然的に1.2以上なので気にする必要はありませんが・・)
というふうに、すべての端子がMSTに対応しているDispayPort 1.2以上である必要があります。
⇒DisplayPort搭載のディスプレイを探す
(2019年2月現在、デイジーチェーン接続に対応したディスプレイはほとんど存在しませんが・・)
末端のディスプレイ→MST対応不要
↑この画像で言うと
一番最後(一番右)のディスプレイは、MSTに対応していない普通のディスプレイでも接続可能です。
もっと言えば、末端のディスプレイだけはDisplayPort → HDMIというふうに変換してHDMI接続してもOKです。
(以下のようなパッシブタイプのケーブルを使ってもOKです。)
デイジーチェーン → 上限が決まっている
ビットレート
DisplayPortは、大容量のデータを流せる規格です。
ですが流せるデータ容量(ビットレート)には限度があります。
バージョンにもよりますが、以下のような感じです。
バージョン | ビットレート |
---|---|
1.2 | 17.28 Gbps (5.4 Gbps × 4レーン) |
1.3 | 25.92 Gbps (8.1 Gbps × 4レーン) |
1.4 |
例えば
- 1920 x 1080(60Hz・8bitカラー)だと・・・3.20Gbps必要
- 3840 x 2160(60Hz・8bitカラー)だと・・・12.54Gbps必要
- 7680 x 4320(60Hz・8bitカラー)だと・・・49.65Gbps必要
というふうにデータを流す必要があります。
具体的に言うと
- DisplayPort 1.2なら・・・
→1920 x 1080(60Hz)の場合 → 4台まで接続可能
→3840 x 2160(60Hz)の場合 → 1台まで接続可能
→7680 x 4320(60Hz)の場合 → 0台 - DisplayPort 1.3~1.4なら・・・
→1920 x 1080(60Hz)の場合 → 8台まで接続可能
→3840 x 2160(60Hz)の場合 → 1台まで接続可能
→7680 x 4320(60Hz)の場合 → 0台
みたいな感じになります。
(データ容量の計算はレーン単位なのでDisplayPort 1.3~1.4でも4kは1台しかムリです)
つまり何が言いたいかというと
- 解像度が高ければ高いほど、
- リフレッシュレートが高ければ高いほど、
- ビット深度が高ければ高いほど、
流さなければいけないデータ容量は増えるので、
「これらに該当すればするほどデイジーチェーンできる台数は減りますよ!」
「場合によってはリフレッシュレートが強制的に落ちたりしますよ!」
ということです。
GPU
DisplayPortで「4画面まで描画できるよ!」となっていても
GPUが「3画面までしか描画できないよ!」みたいな場合があります。
GPUの中には、非力なGPUもあるからです。(特にCPU内蔵のGPUなど)
なので自分の使用しているGPUの仕様をあらかじめ確認しておきましょう。
参考:グラフィックボードが接続できるディスプレイの最大数は?
末端以外のディスプレイ → 設定でDisplayPort1.2をONにする
デイジーチェーンに接続する末端のディスプレイ以外すべて、設定から「DisplayPort1.2をONにする」ということをする必要があります。
逆に、デイジーチェーン末端のディスプレイは、設定をONにする必要はありません。
相性の問題
以下の要素の相性によって、デイジーチェーンがうまく機能しない事例もあるみたいなので
- OS
- GPU
- ディスプレイ
あらかじめ各メーカーの仕様を確認しておきましょう。
以上、参考になればうれしいです!
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